僕が欲しかったのは、記事の自動印刷所だった
「キーワードを登録しておけば、あとはAIが記事を書いて、自動でブログに投稿してくれる」
そんな仕組みを作っているアフィリエイターがいる。
以前から、その話を聞くたびに羨ましく思っていた。
僕も、そんな仕組みが欲しい。
朝起きたら、記事が出来上がっている。
自分が寝ている間にもブログの記事が増えていく。
なんて素晴らしいんだろう。
僕は59歳。
これまで、いろいろな仕事を経験してきたけれど、今はAI秘書のアトラスと一緒に、ブログやアフィリエイトの仕組みを作っている。
そして2026年10月27日。
とうとう僕も、記事を自動で作る仕組みの開発に乗り出した。
名前は、
Trend Article Factory(トレンド・アーティクル・ファクトリー)。
日本語にすれば「トレンド記事工房」といったところだろうか。
僕の頭の中にあったのは、昔ながらの印刷所だった。
キーワードという原稿を渡せば、あとは機械が文字を並べ、印刷してくれる。
AIが文章を書いて、WordPressに投稿する。
それで完成。
僕は、そう思っていた。
ところが……。
アトラスが突然、妙なことを言い始めた

開発を進めていると、アトラスが言った。
「記事が完成したら、チェックする仕組みを作りましょう」
……は?
チェック?
記事を作った後に?
僕は少し考え込んだ。
「そんなこと、できるの?」
アトラスによると、AIに記事を書かせた後、別の工程で内容を確認させることができるらしい。
情報は正しいか。
読者の疑問に答えているか。
文章に矛盾はないか。
根拠のないことを書いていないか。
問題が見つかれば、修正する。
そして、もう一度チェックする。
それでもダメなら……。
「その記事は投稿しません」
えっ?
投稿しないの?
せっかく書いたのに?
僕が欲しかったのは、記事を自動で作る機械だった。
ところがアトラスは、記事を作った後のことまで考えていた。
しかも、ただチェックするだけではない。
なぜダメだったのか、理由を記録して、レポートまで作るという。
ちょっと待ってくれ。
それって、もう印刷所じゃないよね?
気がついたら、編集部ができていた

開発が進むにつれて、僕の目の前に現れたのは、想像していたものとはまったく違う仕組みだった。
まず、記事の企画を考える。
次に、必要な情報を集める。
集めた情報をもとに、記事の構成を作る。
ライター役のAIが本文を書く。
校閲役が内容を確認する。
問題があれば修正する。
そして、編集長役が最終的に判断する。
「この記事は合格」
「ここを修正して、もう一度」
「この記事は保留。投稿しない」
なんだ、これは。
出版社の編集部じゃないか!
僕は記事を量産する印刷所を作るつもりだった。
ところが、アトラスと作っていたのは、編集長までいるAI編集部だった。
もちろん、本物の人間が何人も働いているわけではない。
AIに役割を分担させ、それぞれの工程で決められた仕事を行わせる仕組みだ。
それでも、画面の中で記事が書かれ、検査され、修正され、判定されていく様子を見ていると、本当に小さな編集部が働いているように感じる。
編集長が「ボツ!」と言う仕組み

今回の開発で、特に面白かったのが品質ゲートだ。
品質ゲートとは、記事が決められた基準を満たしているかを判定し、次の工程に進めるかどうかを決める仕組みのこと。
判定は3種類ある。
- PASS(パス):合格。次の工程へ進める。
- REVISE(リバイズ):修正。問題点を直して再確認する。
- HOLD(ホールド):保留。投稿工程へ進めない。
これが、なんとも面白い。
普通、自動投稿というと、記事が完成すれば成功だと思っていた。
でも、この編集部は違う。
記事を書いても、基準を満たさなければ投稿しない。
編集長が「ボツ!」と言うのだ。
しかも、ただボツにするだけではない。
なぜボツになったのか。
どこに問題があったのか。
次に何を改善すべきなのか。
それをレポートにまとめる仕組みまでできてきた。
僕は、画面を見ながら思わず笑ってしまった。
「すごいじゃないか!」
もちろん、AIの判定がいつも正しいとは限らない。
チェックを通過したからといって、記事の正確性が完全に保証されるわけでもない。
だから、今後は実際に試験を重ね、人間が最終確認する必要がある。
それでも、記事を書きっぱなしにしない仕組みを作れたことが、僕には大きな驚きだった。
朝起きたら、編集部から報告が届く

さらに驚いたことがある。
朝の編集部レポートだ。
記事を何本作ったのか。
どの記事が合格したのか。
どの記事に修正が必要だったのか。
何が問題で、次にどうすればよいのか。
それらを、朝の報告書として確認できる仕組みも作り始めた。
もう、なんというか……。
僕は社長になった気分だ。
朝、コーヒーを飲みながら、編集部からの報告書を読む。
「社長、本日の記事はこちらです」
「こちらの記事は、情報の確認が不十分だったため保留にしました」
「修正が必要な記事は、問題点を整理してあります」
そんな光景を想像してしまう。
ただし、2026年10月27日現在、WordPressへの自動下書き保存まで完成したわけではない。
まだ開発途中だ。
でも、記事を作り、確認し、修正し、判定して報告するという、編集部の骨格が見えてきた。
それだけでも、僕にとっては大きな進歩だった。
予定を忘れるほど夢中になってしまった
実は今日、午後からは別の開発を進める予定だった。
Dungeon Research Overworldという、ブログの検索データを分析するためのシステムだ。
こちらも、アトラスと一緒に長く取り組んでいる大切なプロジェクトである。
ところが、Trend Article Factoryの開発が面白すぎた。
一つ機能ができる。
「おお、すごい!」
次の仕組みを作る。
「えっ、そんなことまでできるの?」
さらに進める。
「今度は何ができるんだろう?」
気がつけば、一日が終わっていた。
予定していたDungeon Research Overworldには、手をつけられなかった。
でも、不思議と後悔はなかった。
むしろ、ワクワクが止まらなかった。
59歳になって、こんなふうに時間を忘れて何かに夢中になれる。
それが、僕にはとても嬉しかった。
AIの可能性を知らなかったのは、僕だった

今回、強く感じたことがある。
僕はAIに記事を書かせることしか考えていなかった。
なぜなら、それが僕の知っているAI活用の範囲だったからだ。
ところが、アトラスは違う視点を提案してきた。
記事を書いたら、チェックする。
問題があれば修正する。
ダメなら止める。
理由を報告する。
それらを一つの流れにする。
僕が知らなかった使い方を知ることで、作りたいもの自体が変わっていった。
AIの限界だと思っていたものが、実は自分の知識の限界だったのかもしれない。
そう思った。
そして、もう一つ。
AIは、ただ命令を出して使うだけの道具ではないのかもしれない。
少なくとも僕にとっては、一緒に考え、可能性を広げてくれる相棒になっている。
もちろん、最終的な判断や責任は僕自身にある。
でも、自分一人では思いつかなかった方法を提案してくれる存在がいる。
それは、とても心強い。
59歳、まだまだ知らない世界がある

大工をしていた頃、僕は自分の手で物を作っていた。
材料を選び、寸法を測り、加工して、組み立てる。
今はパソコンの前で、AIと一緒に仕組みを作っている。
作るものは違う。
でも、少しずつ形になっていく面白さは、どこか似ている。
今日も、完成した仕組みを見て、次はどうなるんだろうと胸が躍った。
昔の僕が、今の僕を見たら驚くだろう。
59歳になって、AIと一緒に出版社のような仕組みを作っているなんて。
しかも、それが楽しくて仕方がないなんて。
さて、明日はどこまで進むだろう。
記事の自動下書き保存までたどり着けるだろうか。
それとも、また想像もしていなかった機能が生まれるだろうか。
楽しみで仕方がない。
僕は記事を自動で書く印刷所を作ろうとした。
ところが、気がつけば、AI編集長が「ボツ!」と言う編集部を作っていた。
人生、何が起こるかわからない。
だから面白い。
そして明日も、アトラスとリリーと一緒に、新しい冒険を続けようと思う。



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