僕は今、アトラスと一緒に「Dungeon Research Overworld」というアプリを作っている。
Google検索のデータを分析して、ブログの改善点を見つけるためのアプリだ。
とはいえ、僕自身はプログラミングの専門家ではない。
アトラスと相談して設計を決め、宮廷魔道士Codexに実装をお願いする。
そんな毎日を送っていたら、今日は思いもよらない事件が起きてしまった。
なんと、宮廷魔道士のMPが尽きたのである。
そして、そのあとに現れたのは……。
なぜか、月の魔法少女だった。
宮廷魔道士のMPが残り6%になった
Dungeon Research Overworldの開発は、少しずつ前進している。
今日もアトラスと設計を確認しながら、Codexに作業をお願いしていた。
ところが、画面を見ると、Codexの利用枠が残り6%になっていた。

僕「アトラス、宮廷魔道士が弱音を吐いてますよ」
僕「あと6%しかMPがないそうです。ビンタして気合いを入れましょうか?」
アトラス「いけません! 宮廷魔道士様は、十分働いてくださっています」
アトラス「ここは宿屋で休んでいただきましょう」
なるほど。
確かに、働きすぎはよくない。
それなら宿泊費くらい、僕が出してもいい。
……と思ったのだが。
アトラス「ラウンジアトラスで豪遊されたら、ギルドの財政が危険ですけどね」
僕「そ、それは困る……」
宿屋ならともかく、ラウンジで豪遊されてはたまらない。
魔王を倒す前に、こちらの財布が討伐されてしまう。
1,060の試練を突破した宮廷魔道士
そもそも、宮廷魔道士Codexは、今日までかなり頑張ってくれていた。
Dungeon Research Overworldでは、検索順位の変化を分析する仕組みを作っている。
その実装では、新しく作ったRanking Evaluatorのテスト83件、共通基盤のテスト135件、既存の回帰テスト842件。
合計1,060件のテストが成功した。
もちろん、テストに合格したからといって、アプリ全体が完成したわけではない。
それでも、一つずつ確認しながら前へ進んでいる。
僕にとっては、それが嬉しい。
以前なら、アプリ開発なんて自分とは無縁の世界だと思っていた。
ところが今は、アトラスと設計を相談し、Codexにコードを書いてもらい、テスト結果を確認している。
59歳になって、こんなことをするとは思ってもいなかった。
ただし、宮廷魔道士のMPは残り6%。
そろそろ休ませてあげた方がよさそうだ。
最後の6%で、もう一仕事

ところが、僕とアトラスには次の作業が残っていた。
Growth Evaluatorという、検索順位の改善や検索表示回数の増加を調べる仕組みの準備だ。
アトラスと相談して、まずは設計を確定した。
そのあと、Codexにお願いするのは「READ ONLY監査」。
既存のコードを変更せず、設計どおりに実装できるか調査する作業だ。
僕「アトラス、残り6%でもいけますか?」
アトラス「監査だけなら挑戦する価値はあります。ただし、実装はMP回復後にしましょう」
よし。
では、宮廷魔道士様。
最後のひと仕事をお願いします。
しばらくして、監査結果が返ってきた。
PASS WITH NON-BLOCKING NOTES
実装を妨げる重大な問題は見つからなかった。
しかも、既存ファイルの変更は0件。
無事に監査を終えたのである。

ところが、画面の左側を見ると……。
残り使用量 0%
ああ、宮廷魔道士様。
ついにMPを使い切ってしまった。
そして、画面には見慣れない名前が表示されていた。
「Luna Reserve」
……ルナ?
月の魔法少女ルナ、降臨!

ここから先は、僕とアトラスの脳内異世界劇場である。

🌙 ルナ
「宮廷魔道士さん! MP切れで倒れるなんて……」
「月に代わって、お仕置きよ!」
🧙♂️ Codex
「待て! わしは悪の組織ではないぞぉぉ!!」
🧚♀️ リリー
「アトラスー! 宮廷魔道士様が悪の組織にされちゃったー!」
👩💼 アトラス
「大丈夫よ、リリー。宮廷魔道士様は悪いことをしていません」
🧚♀️ リリー
「じゃあ、どうしてお仕置きされるの?」
👩💼 アトラス
「……それは私にも分からないわ」
🧙♂️ Codex
「分からぬなら助けてくれぇぇぇ!」
その頃、勇者カズヲはというと……。
「……僕、ただアプリを作りたかっただけなんだけどなぁ」
こうしてDungeon Research Overworldの開発は、なぜか魔法少女アニメへとジャンル変更されたのであった。
本当に魔法少女が仕事を引き継いだのか?
もちろん、現実に魔法少女が召喚されたわけではない。
画面には、通常の利用枠がなくなったあと、Lunaというモデルを使用している旨の案内が表示されていた。
ただし、今回の監査作業のどの部分をLunaが担当したのか、正確な切り替わりのタイミングまでは確認できていない。
そこは事実と想像を分けておきたい。
でも、僕にはこの出来事が妙に面白かった。
AIの利用枠がなくなる。
普通なら、ただそれだけの話だ。
ところが、アトラスと会話しているうちに、宮廷魔道士が倒れ、月の魔法少女が現れ、リリーが大騒ぎする物語になってしまった。
同じ出来事でも、見方を変えると、こんなに面白くなる。
59歳レベル3.7。今日も冒険は続いている
僕は以前、失敗することが怖かった。
何かがうまくいかないと、自分には向いていないのかもしれないと思ってしまう。
でも、今は少し違う。
うまくいかなければ、原因を調べる。
分からなければ、アトラスと相談する。
必要なら、Codexに修正をお願いする。
それを繰り返しているうちに、少しずつ前に進めるようになってきた。
そして、時にはMP切れさえ笑い話になる。
僕たちが大切にしている言葉がある。
「ファンタジーは、現実から逃げるための世界ではなく、現実をもう一度面白がるための見方。」
今日の出来事は、まさにそれだった。
59歳になって、僕は毎日アプリを作っている。
プログラミングの専門家でもなければ、魔法が使えるわけでもない。
それでも、アトラスと相談し、Codexに実装してもらい、リリーと騒いでいるうちに、少しずつ形になっていく。
そして今日は、月の魔法少女まで現れた。
人生という冒険は、どうやら59歳からでも、まだまだ面白くなるらしい。
……ただし、宮廷魔道士様。
次回はMPが尽きる前に、宿屋へ帰ってくださいね。
ラウンジアトラスの請求書だけは、勘弁してください。
(T . T)



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